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須郷 由美; 佐々木 祐二; 館盛 勝一
Radiochimica Acta, 90(3), p.161 - 165, 2002/04
被引用回数:153 パーセンタイル:99.24(Chemistry, Inorganic & Nuclear)高レベル廃液から高収率でアクチノイドを回収するのに最も有用なジアミド系抽出剤であるN,N,N,'N'-テトラオクチル-3-オキサペンタン-1,5-ジアミド(TODGA)の耐酸性及び耐放射線性も調べた。室温での耐酸性は高く、加水分解は認められなかった。Co-線照射実験から、TODGAはアミド結合,エーテル酸素近傍の結合が放射線に対して比較的弱く、単体での分解G値は8.5でマロンアミドやモノアミドのそれと比べてやや大きな値となった。ドデカン溶液系では、放射線分解速度がドデカン分率に応じて増加することから、ドデカンによる増感効果が認められた。ベンゼンやモノアミドなどの添加剤を加えドデカン分率を下げることで、TODGAの耐放射線性が向上できることがわかった。また、共存する硝酸はTODGAの耐放射線性をわずかに高める効果をもつことがわかった。
佐々木 祐二; 須郷 由美; 鈴木 伸一; 館盛 勝一
Solvent Extraction and Ion Exchange, 19(1), p.91 - 103, 2001/01
被引用回数:626 パーセンタイル:99.62(Chemistry, Multidisciplinary)当研究室で合成を行った6種のジグリコールアミド化合物によるランタノイド、アクチノイドの抽出特性を調べた。Eu,Amの分配比はアミドの窒素原子に結合するアルキル基の長さに依存した。開発した化合物の中でN,N,N',N'-テトラオクチル-3-オキサペンタンジアミド(TOOPDA)、N,N,N',N'-テトラデシル-3-オキサペンタンジアミド(TPOPDA)はn-ドデカン中に可溶であり、これは窒素原子に結合するアルキル基が長く、抽出剤自身が適当な脂肪親和性を持つことによるためである。TOOPDAを用いるアクチノイドの抽出は強い硝酸濃度依存性を示し、高い酸濃度で極めて高い分配比を示した。これらのことから、n-ドデカンに溶解したTOOPDAを用い、硝酸溶液中のランタノイド、アクチノイドを完全に有機相中に抽出できることがわかった。
宮田 定次郎*; 高田 準一; 井田 正明*; 中吉 直隆*; 小池 忠雄; 塚本 導雄; 渡邊 浩二*; 西尾 軍治*
JAERI-Tech 2000-035, p.64 - 0, 2000/03
硝酸によるピューレックス溶媒(TBP,n-ドデカン)の熱分解の反応特性及び反応機構を明らかにするため、示差走査熱量計(DSC)、加速速度熱量計(ARC)等の熱分析装置並びにガスクロマトグラフ(GS)及びガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)等の分析装置による各種検討を行った。その結果、ステンレス製の密封セルを用いた硝酸配位の30%TBP/70%ドデカン混合溶媒のDSC測定では、約170と約320に極大となる発熱ピークが得られ、前者は硝酸と溶媒及びTBPの脱アルキル化により生成した硝酸ブチルとの反応におもに起因し、後者は硝酸とドデカンとの反応により生成したニトロドデカン自身の熱分解に起因することなどを明らかにするとともに、ARCによる検討では、硝酸とTBPとの反応及び硝酸n-ブチル自身の熱分解の活性化エネルギーがそれぞれ123.2及び152.5kJ/molであることなどを明らかにした。また、得られた結果に基づき、本反応の反応機構を推論した。
杉川 進; 梅田 幹
Proceedings of 2nd International Conference on Safewaste 2000, Vol.1, p.357 - 364, 2000/00
NUCEFから発生する汚染廃棄物の処理のため、銀電解酸化技術の適用を検討してきた。三種類のベンチスケールの電解槽を用いて、廃液処理用の不溶性タンニン吸着剤及びウラン/プルトニウム抽出剤用のTBP/ドデカンについての分解・無機化、汚染固体廃棄物の模擬物質での除染に関する実験を行った。その結果、不溶性タンニンは、高電流効率、速い分解速度で二酸化炭素に分解することができた。また、TBP/ドデカンも高電流効率、比較的速い分解速度で二酸化炭素とリン酸に分解することができた。ステンレス模擬物質での溶解速度は、電流よりも、模擬物質表面の流速の方が支配的であった。
宮田 定次郎; 高田 準一; 中吉 直隆*; 小池 忠雄; 塚本 導雄; 渡邊 浩二*; 西尾 軍治*
JAERI-Tech 99-040, 194 Pages, 1999/05
耐圧ガラス製反応装置(内容積約1000ml)を用いて、4種類の溶媒系(100%TBP,100%TBP/U,30%TBP/70%n-ドデカン及び30%TBP/70%n-ドデカン/U)を温度129~192C,反応時間90~270分の条件の下で硝酸と反応させる方法によりレッドオイル(Red Oil)を合成し、その成分及び合成時に発生したガス成分をガスクロマトグラフ(GC)及びガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)により同定・定量した。レッドオイルは150種類以上の成分からなりその中の94成分の化学形を確定または推定した。レッドオイルの主要な成分はn-ドデカンとTBPのモノ及びジニトロ化物、ドデカノン、硝酸n-ブチル、DBP及びMBPである。合成時に発生した気体成分(vol%)はNO(23~50)が最も多く、以下CO(17~34)、NO(5.5~15)、N(4.3~12)、CO(4~12)、NO(1.5~8)、炭化水素(0.7~1.2)の順に減少し、OとHはほとんど検出されなかった。蒸発成分の水冷却凝縮液の大部分は硝酸n-ブチルであり、n-ブタノールは非常に少ない。
宮田 定次郎; 高田 準一; 井田 正明*; 中吉 直隆*; 塚本 導雄; 小池 忠雄; 渡邊 浩二*; 西尾 軍治*
JAERI-Tech 99-039, 70 Pages, 1999/05
溶媒及び劣化溶媒と硝酸との反応の反応特性及び発熱特性に関する情報収集を目的として、純粋な溶媒並びに熱化学的及び放射化学的に劣化させた溶媒を用いて、密封セル示差走査熱量計(SC-DSC)及び加速速度熱量計(ARC)による熱分析試験、並びに密閉容器(内容量3.0 )による熱分解試験を実施し、以下に述べる結果を得た。硝酸飽和溶媒、100%TBP溶媒(100%TBP/~2.7M HNO)及びドデカン含有溶媒(30%TBP/70%n-ドデカン/~0.8M HNO)は、約170Cと約210Cに極大を有する発熱ピークを与え、前者のピークは溶媒と硝酸との反応に起因し、その活性化エネルギーと頻度因子は124kJ/mol及び8.410secである。硝酸水溶液共存下での、密閉系における硝酸による溶媒の急激熱分解の開始温度は、開放系の場合とほぼ等しく140C以上である。過濃縮したCe(NO)含有硝酸配位溶媒は約180C以上で急激に熱分解する。ドデカノン、n-ブタノール、硝酸n-ブチル等の溶媒劣化物は約80C以下で硝酸と発熱的に反応する。
長縄 弘親; 館盛 勝一
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 70(1), p.135 - 142, 1997/00
被引用回数:2 パーセンタイル:19.46(Chemistry, Multidisciplinary)核燃料の再処理において、アクチノイドの抽出分離に用いる抽出剤として、現在モノアミドが注目されている。モノアミドは、例えばTBPのようにリンを含まないため処理後に有害物質が生じないという利点がある。そこで、モノアミドの化学特性を明らかにするために、まず、モノアミドの1つとして、ジオクチルヘキサナミド(DOHA)を選び、ドデカン中における水和と会合を検討した。その結果、単量体1水和物(DOHA・HO)と二量体2水和物((DOHA)(HO))の生成が明らかになった。TBPとDOHAを比較すると、DOHAはTBPよりも水和しにくく、また、高濃度においても、二重体等の会合体がTBPの場合よりもずっと生成しにくいことがわかった。
長縄 弘親; 館盛 勝一
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 70(4), p.809 - 819, 1997/00
被引用回数:25 パーセンタイル:71.96(Chemistry, Multidisciplinary)PUREX抽出工程で起こっている化学反応についてはすでに40年以上の研究の蓄積があるが、今だ不明な点が多く、第3相の生成など解明されていない現象も多い。この抽出系が複雑である理由の1つに、リン酸トリブチル(TBP)は、ウラン、プルトニウム等の金属を抽出するばかりではなく、硝酸や水とも錯形成し、これらを有機相に抽出してしまうということがある。本研究では、TBPと硝酸との錯形成、および生成した錯体の水和を明らかにし4つの錯体、TBP・HNO、TBP・HNO・HO、(TBP)HNO・HOおよび(TBP)HNO(HO)、の生成を示した。水相中の硝酸濃度が3mol/l以下、かつ、有機相中のTBPの濃度が2mol/l以下であれば、複雑なミセルの生成等の現象が起こらず、上に示した錯体が化学量論的に生成することがわかった。
長縄 弘親; 太田 康雄*; 館盛 勝一
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 69(10), p.2869 - 2875, 1996/00
被引用回数:3 パーセンタイル:27.57(Chemistry, Multidisciplinary)ドデカンのような無極性溶媒中においては、溶質と溶媒との間の相互作用が非常に小さいため、溶質間(ここでは硝酸分子と水分子間)の相互作用の大きさを見積るのに適している。本研究では、このような不活性溶媒を利用して、硝酸の水和、およびそれに伴うイオン化の本質を明らかにするものである。分配法は、溶質(極性物質)の濃度を大きくできない無極性溶媒の系に適した手法であり、さらに溶媒の効果を評価できるという利点がある。ドデカン中では、ベンゼン中と同様に分子性硝酸1水和物とイオン性硝酸10水和物が見つかったが、これらの水和物の生成に及ぼす溶媒の効果をドデカンとベンゼンで比較することができる。ベンゼンはどちらの水和物もドデカンよりもずっと安定化させることがわかったが、分子性硝酸1水和物の安定化効果の方が大きく、その結果、ベンゼン中ではドデカン中ほど硝酸のイオン化は起こらない。
桜井 勉; 高橋 昭; 石川 二郎; 古牧 睦英
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(7), p.664 - 670, 1995/07
被引用回数:4 パーセンタイル:43.23(Nuclear Science & Technology)使用済燃料溶解時のヨウ素の挙動は、多くの研究者により解明されつつあるが、それ以降のピュレックスプロセス中の挙動はほとんどわかっていない。本研究ではその点について知見を得ることを試みた。模擬燃料溶解液及びIまたはIOを含む硝酸ウラニル溶液を、ガンマ線照射した抽出剤(30%TBP/70%n-ドデカン)と接触させることにより、ヨウ素化学種のウラン抽出、逆抽出、及び溶媒洗浄における挙動を調べた。ウラン抽出の際、約70%のコロイドと90%以上のI及びIOが有機相に抽出され、ウラン逆抽出の際にも有機相に保持される。溶媒洗浄の際、大部分のコロイドと約50%のI及びIOが水相に逆抽出された。使用済燃料溶解液中の残留ヨウ素も、コロイド状ヨウ素と同じ挙動をとることが予想される。
長縄 弘親; 館盛 勝一
Analytical Sciences, 10, p.607 - 613, 1994/08
被引用回数:10 パーセンタイル:44.71(Chemistry, Analytical)先の報文で、TBPの水和とそれに伴うTBPの二量化について報告した。今回は、さらにTBPの濃度が高いときに生成する、水和数の大きいTBP会合体について報告する。最近になって、ピュレックス抽出工程における第3相の形成が、多くの水分子を伴ったTBP-金属錯体の会合体(いわゆるミセル)の生成に大きく関連している(あるいは、第3相自体がミセルである)という報告がいくつかなされている。今回報告する多水和会合体、(TBP)(HO)は、このようなミセル成分の1つと考えられる。本論文はこのような多水和会合体の生成を明らかにした最初の報告である。また、本研究では、この多水和会合体の生成機構について論じ、その構造(結合や形)を推定している。
長縄 弘親; 館盛 勝一
Analytical Sciences, 10, p.309 - 314, 1994/04
被引用回数:15 パーセンタイル:57.31(Chemistry, Analytical)ピューレックス抽出工程で用いられるTBPは、有機相において水和し、また部分的にTBP分子どうしが会合して二量体等を生成する。TBP-硝酸の二液系を理解するためには、このTBPの水和、会合の問題を正確に把握しなければならないが、TBPを用いた抽出系は、40年以上にわたり研究されているにもかかわらず、これらの問題は今だ明確にされていない。抽出剤自身の性質のうち、水和や会合は第3相生成の機構を解明するうえで最も重要な因子の1つと考えられ、本研究では、これらの問題を重点的に扱った。本研究はTBPと水との錯形成という立場から水和及び会合を考察するもので、水の分配のデータに基づき2つの錯体、TBP・HO及び(TBP)(HO)の生成を見い出した。TBPの濃度が0.3mol/l(8.1vol%)よりも大きいときには、さらに、水和数の非常に大きいミセル様会合体が生成するが、そのことについては、続報(II)で発表する。
阿見 則男; 鈴木 伸一; 阿部 仁; 館盛 勝一
JAERI-M 93-014, 40 Pages, 1993/02
リン酸トリブチル(TBP)を用いた抽出系での第3相生成特性を調べるため、30%TBP-n-ドデカン-U(IV)-硝酸系で実験を行った。U(IV)濃度40~130g/l、硝酸濃度1.5~6mol/lの範囲の水相原液(10ml)に対し、同体積の有機溶媒を加えて攪拌し第3相を生成させた。水相、軽有機相、第3相について体積、U(IV)濃度、硝酸濃度を測定した。第3相と軽有機相については、TBPとn-ドデカンの濃度および水分を測定した。これらについて、水相原液の成分濃度や第3相生成後の水相中成分濃度等を基準とした回帰分析を行い第3相、軽有機相体積や成分濃度を計算する実験式を導いた。その結果、水相原液中のU(IV)濃度増加(40から130g/l)に対して第3相中U(IV)濃度は70から190g/lと増加、また第3相体積は1.5から3.5mlと増加し、水相原液中硝酸濃度をパラメータとして良い相関が得られた。
柴田 裕実*; 吉田 陽一*; 田川 精一*; 青木 康; 南波 秀樹
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 327, p.53 - 56, 1993/00
被引用回数:8 パーセンタイル:64.03(Instruments & Instrumentation)液体シンチレータ中でのLET効果を、ナノ秒のイオンビーム、ピコ秒の電子ビームならびにシンクロトロン放射光を用いて、パルス放射線分解の手法で研究した。トルエン中での10mMの2.5-d:phenyloxazole(PPO)、トルエン中での10mMのp-terphenylならびに純n-ドデカンからの発光スペクトルを観測した。イオンビーム照射においてこの発光の減衰は、高速ならびに低速の2つの成分が観測された。これらのシンチレータからの発光の寿命に対して、LET効果があることが見出された。
根本 剛; 大内 仁; 岡田 尚; 近藤 勲; 高橋 芳晴
PNC TN8410 92-019, 40 Pages, 1992/02
再処理プロセスの溶媒抽出に使用しているTBP-nドデカン系混合溶媒のソルトフリー分離・再生方法として,室温以下の低温技術(例えば,低温晶析法,凍結真空乾燥法等)による処理の可能性について技術開発を進めている。低温晶析法による分離・再生を検討する際,先ず混合溶媒系の固液平衡関係を明確にすると共に,晶析過程での結晶成長挙動を解明することが重要である。今回,室温から-100まで制御可能な偏光光学顕微鏡を用いて,nドデカン,TBP,DBP及び線照射溶媒の結晶析出及び結晶融解過程についてビデオ撮影した画像によりその挙動を観察したその結果,(1)nドデカン及び線照射溶媒は針状結晶を形成するが,後者の線照射溶媒はnドデカンに比べて成長する結晶が小さい。(2)TBP,DBPともに結晶の成長は認められなかった。(3)降温過程でのnドデカンの結晶成長は,まず過冷却の段階を経て瞬時に結晶を析出し,その後温度降下と共に微量の不純物が徐々に析出する。一方,昇温段階では昇温と共に徐々に結晶が融解するが,試料中の不純物量(TBP等)に依存して,融点が約1下がることが認められた。(4)nドデカンの晶析過程で取り込まれるTBPの挙動については明らかにできなかった。TBP-nドデカン系混合溶媒の晶析過程を初めてビデオによる映像化ができたことから,低温晶析法あるいは圧力晶析法による分離挙動の解析の役立つものと期待される。
桜井 聡; 阿部 仁; 館盛 勝一
Journal of Nuclear Science and Technology, 29(1), p.86 - 89, 1992/01
硝酸ウラニル-硝酸-水-30%TBP-n・ドデカン系の密度測定を行い、得られた実験データに対して重回帰分析を行って溶液密度の経験式を導出した。この密度式は、広い組成と温度範囲に対して適用可能である。
根本 剛; 大内 仁; 岡田 尚; 近藤 勲; 高橋 芳晴
PNC TN8410 91-343, 26 Pages, 1991/12
再処理プロセスやスクラップ燃料湿式回収プロセスに用いているTBP-nドデカン系混合溶媒のソルトフリー再生処理を目指して、凍結真空乾燥法、低温真空蒸留法、低温晶析法等の低温技術による技術開発を行っている。これらの低温技術の中から低温晶析法を取り上げ、模擬TBP-nドデカン系混合溶媒を用いて、TBPとnドデカンの粗分離試験を行った結果、次に示す結論を得た。(1)TBPの希釈剤である高融点物質のnドデカンが最初に結晶化し、その結晶成長速度は冷媒の温度に依存すると共に、TBPの取り込み率に影響する。最終的にはnドデカン中にTBPを取り込みシャーベット状になる。(2)TBPはnドデカンの結晶成長の過程で未結晶部に押し出されるため、nドデカンの結晶とTBPが粗分離できる。(3)nドデカン結晶中に取り込まれたTBPは、冷却エタノールと接触することにより洗浄できる。(4)溶媒再生プロセスの前処理に本低温晶析法を採用することにより、従来考えていた低温真空蒸留法で処理する対象物を削減する可能性があると共に、主再生処理プロセスとしても適用性がある。
富樫 昭夫; 大内 義房; 根本 昌明; 八木沼 龍治*; 田口 郷士*
PNC TN8410 91-241, 70 Pages, 1991/08
CMPO(Octyl(phenyl)-N,N-diisobutylcarbamoylmethylphosphine oxide)を抽出剤とした湿式核種分離試験において、溶媒中のCMPO濃度を把握するためCMPOの分析法を開発する。フーリエ変換赤外分光法及びガスクロマトグラフ法によるCMPOの分析法を確立するため、CMPOの標準試料を用いた添加回収試験及び種々の共存物質の影響調査を行った。(1)フーリエ変換赤外分光法及びガスクロマトグラフ法とも、CMPOの分析に適用できることが分った。(2)フーリエ変換赤外分光法を用いたCMPOの定量範囲は10/SUP310/SUP4/ppmであり、そのときの変動係教は5%以下であった。(3)ガスクロマトグラフ法を用いたCMPOの定量範囲は5010/SUP5/ppmであり、そのときの変動係数は3%以下であった。今回の試験によりCMPOの分析が可能になった。今後さらに分析の高精度化および共存物質の影響補正法である内部標準法について検討を進めていく。
根本 剛; 大内 仁; 岡田 尚; 鈴木 徹; 近藤 勲; 高橋 芳晴
PNC TN8410 91-014, 31 Pages, 1991/01
再処理プロセスやスクラップ燃料湿式改修プロセスに使用しているTBP-nドデカン系混合溶媒のソルトフリー再生処理をめざして、室温以下の低温技術(凍結真空乾燥法、低温真空蒸留法、低温晶析法等)による処理の可能性について技術開発を進めている。これらの低温技術の中で低温晶析法による分離・再生技術の開発を進める際、先ず最初にその系の固液平衡関係から分離の可能性、分離成分の純度等を推定するのが一般的であるが、TBP-nドデカン系混合溶媒の固液平衡関係についての既存文献には見当たらない。そこで、示差走査熱量計によりTBP-nドデカン系混合溶媒の固液平衡関係を測定した。その結果、本系は最も単純な型である単純共融型の固液平衡関係にあることが確認できた。したがって、固液平衡図から低温晶析時の冷却速度、撹はん速度等の処理条件やそれに適した処理装置を選定することにより、低温晶析法による再生・処理の可能性があることが判明した。
内山 軍蔵; 天川 正幸*; 桑山 公一*; 前田 充
JAERI-M 87-101, 17 Pages, 1987/07
液中燃焼法の再処理廃溶媒処理への適用性を確認するため、工学試験装置(処理能力;67000KJ/hr)を用いて燃焼試験を実施した。廃溶媒の模擬試料としてTBPとn-ドデカン混合物(TBP;30-100%)を用いた。模擬廃溶媒はTBP濃度にかかわらず、温度1300-1500C、空気比1.2-1.4の処理条件下で、自己燃焼し、しかも完全燃焼することがわかった。なお、燃焼時にミストがかにり発生した。非揮発性放射性物質の模擬物質として添加したジルコニウムは、ほぼ全量、燃焼炉回収缶液に捕集・濃縮された。